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反省&すみません
というわけで源氏物語を読んでいる最中なのですが、ある日ふと
「『源氏物語』を英訳して
 世界に源氏物語を知らしめた人がアーサー・ウェイリーという人だと
 昔、どこかで聞いた覚えがあるけど
 『Dance and Dramain Bali』で序文を書いているArthur Waleyは
 ひょっとして源氏物語を英訳した人と同一人物?」と思いました。

そこで、ちょこちょこ調べてみたら
なんとArthur Waleyは源氏物語の英訳者で有名な
アーサー・ウェイリーであり、
パートナーはベリル・デ・ゾエトだったんです。
・・・・・。
誰か(=わたし)が
 「Michael Hitchcock, Lucy Norris
  『Ball, The Imaginary Museum :
   the photography of Walter Spies and Beryl de Zoete』
   1995 Kuala Lumpur : Oxford University Press で、
  彼女の生涯と業績について手短に知ることができました」なんて
のうのうとココで書いていますが
私は今まで何をしていたのか、何をどうやって読んでいたのかと猛反省。
確かに上掲の本のその部分も目を通した記憶があるのですが・・・・。
もう1度読み直してみたらArthur Waleyとの関係についても
しっかり書かれてありました。
まったく何をどう読んでいたのやら。

さて、
日本文学研究家・翻訳家・評論家・海外への日本文化紹介者として
コロンビア大学名誉教授のドナルド・キーンDonald Keene氏は
とても著名な方ですが
キーン氏はアーサー・ウェイリーが翻訳した源氏物語に
感動したことがきっかけで
日本文学の研究を志すことになったのは有名なエピソードです。

私は、のんさんのblogで知ったのですが
ドナルド・キーン氏は
読売新聞2006年9月2日朝刊掲載「私と20世紀のクロニクル」の第33回で
ご母堂の死、死の床についたベリル・デ・ゾーテ(ベリル・デ・ゾエト)、
ベリル・デ・ゾーテを一生懸命に看病する
アーサー・ウェイリーの様子について
悲痛な思いとともに述べられていました。
詳細はのんさんのblog
『文春、くしゅん!』2006年09月02日付「悲観と喜びに身を引き裂かれる思い」
を是非、ご覧ください。

シュピースの最期といい、
アーサー・ウェイリーのパートナーであったベリル・デ・ゾエトといい、
日本に関係があったんですね・・・・。
| comments(0) | trackbacks(0) | by 大坪紀子
源氏物語
むかしむかし、
源氏物語を自分で読む気が失せた私はマンガに逃げました。
そして学校で習った
「(源氏物語の特徴は)もののあはれを知る」というイメージを抱いて
マンガで描かれた源氏物語を読んでいました。
自分が若かったせいもあると思うのですが
マンガの美しい絵や「もののあはれ」観に影響を受けすぎていたのでしょうね。
もっと他にもいろんな特徴や良さがあるはずなのですが
そこまで読み取ることができませんでした。

そして現在。
本居宣長が源氏物語を位置づけた「もののあはれを知る」観も良いのですが
シュピース&デ・ゾエトの「バロン」に最近再び触れていた私は
「源氏物語には『物の怪/もののけ』や憑依、怨念がよくあらわれるなぁ」
と思いました。
もちろん、源氏物語で描かれているような憑依と
バロンでみられる憑依やトランスは別種・別類・別目的のものですが
呪的な力というか、ある種のエネルギーやパワーみたいなものは
日本でも昔から馴染みのものだったと改めて気づきました。

しかし、
そういう力を神様や神格が使うぶんには
「神様やしなぁ、もう、しかたないなー」と思いますが
小説といえどもそんな力を使う人は「なんと哀れな人よ」と思います。

さて、私は怨念等の暗い話は苦手なので
もっと他の部分に目を向けて源氏物語を楽しむつもりです。
また途中で投げ出さずに、全部読めたらいいんですけどね。
| comments(0) | trackbacks(0) | by 大坪紀子
カンダ・ウンパット2
引き続き「カンダ・ウンパット」の続きです。
人間と常に一緒にいる4人の兄弟/姉妹については何となく私も理解できたのですが
4人の兄弟の神様バージョン(カンダ・ウンパット・デワではない)については
頭を抱えてしまう・・・・。

バロン・コーナーの注釈のカンダ・ウンパット
人間レベルのカンダ・ウンパットではなく、
どちらかといえば人間のレベルを超えたカンダ・ウンパットの話なので
「??????」だらけです。
単独の物語としてならばわかるのですが。

しかしよーくよーく考えてみたら、人間にだって4人の兄弟がいるのだから
ランダに4人の姉妹がいても変じゃないです。
いや、・・・・そういう話じゃないか。
それにあの注釈では兄弟/姉妹という感じじゃなかった。

そこでカンダ・ウンパットに関連する物語がないか調べてみました。
たとえばバリでチーフ・メディカル・オフィサーを務めた
Wolfgang Weckというオランダ人が1937年に書いた本によると
(オランダ語もドイツ語も読めないので
 正しくはEiseman Jr著の『Sekala&Niskala』からの孫引きになります)
カンダ・ウンパットはサン・ヒャン・ウィディSang Hyang Widiという神様によって
作られたことになります。

シンガラジャSingaraja地方で伝統医学や呪術の研究もしていた
Weckが紹介する物語は以下のようなものです。

サン・ヒャン・ウィディは
 1.サン・ヒャン・カルティカSang Hyang Kartika
 2.サン・ヒャン・ガルガSang Hyang Garga
 3.サン・ヒャン・ムトゥリSang Hyang Metri
 4.サン・ヒャン・クルシアSang Hyang Kurusia の4神をつくり
4神それぞれに使命を授けました。しかし4神は使命を拒否。
そこでサン・ヒャン・ウィディは怒り、4神の姿を変えて東西南北へ追いやりました。
 1のサン・ヒャン・カルティカはラクササRaksasaという魔物の姿に変えられ東へ。
  サン・ヒャン・カルティカはのちに
  サン・カラ・バナスパティ・ラジャSang Kala Banaspati Rajaと呼ばれることに。
2のサン・ヒャン・ガルガは虎に変えられ、南へ。
  サン・ヒャン・ガルガはのちに
  サン・ヒャン・カラ・ヤマパティSang Hyang Kala Yamapatiもしくは
  アンガパティAnggapatiと呼ばれることに。
 3のサン・ヒャン・ムトゥリはヘビに変えられ、西へ。
  そしてサン・ヒャン・カラ・アンガスパティSang Hyang Kala Angaspatiと
  呼ばれることに。
  (アンガスパティではなくバナスパティじゃないかと思うんですが?)
 4のサン・ヒャン・クルシアはワニに変えられ、北へ。
   サン・ヒャン・クルシアはのちに
   サン・ヒャン・ムラジャパティSang Hyang Merajapati)と呼ばれます。
その後、いろいろあってサンヒャン・ウィディは4神へ
マヌシア・サクティManusia Saktiの希望を受け入れるよう命じます。
マヌシア・サクティは
シワ神と妻のウマによって作られた世界に初めて住む人間たち(神様軍団からすれば、その人たちの見かけはかなり変わっていたそうです)のことで
サン・ヒャン・ウィディはマヌシア・サクティたちを祝福して
「あなたたち最初の人間たちは悪いことも良いこともしてよい、幸福なことも不幸なことも。それから邪悪な者になってもよい。欲張り者、怒り者、利己主義者になってもよいし、もちろんレヤック/Leyak(妖術を使う人)になってもよい。あらゆる種類の毒を使ってもよい。それから良い行いをすることもできる。賢明な行動や思考、学習、愛など。良い行いは、この世界に満足と幸福をもたらすだろう。善悪双方のすべてのパワーを私からあなたたちへ授けた」
と言いました。

そこで4神はサン・ヒャン・ウィディが命じたとおり
マヌシア・サクティの希望を聞いてみると
マヌシア・サクティは
「4神がこの世界にやってきて人々を組織すれば、神々も魔物も人々も仲良く暮らしていくことができる。すべてが繁栄する。すべての敵が悪いことを行うのも容赦できる。そして世界から悪を一掃できるにちがいない」と答えました。
4神は
「あなたたちの言うことは素晴らしい。しかし本当はそう思ってないのに、そう言ってるだけじゃないか?あなたたちが口にしたことを行動するときは、昼も夜もそばについているし、遂行できるようにとりはからうよ。我々4神は、あなたたちの性別を問わず、あなたたちの家族であることを知っておいて。我々のうち2神はあなたたちの心の中にいる。そして残り2神は外だけども、あなたたちの呪術的パワーの中にいる。けれども、もしもあなたたちが自分のした約束を忘れたなら、その時、我々はあなたたちへトラブルを引き起こす。そのことは必ず覚えておくように」とマヌシア・サクティへ言いました。
そして4神は消え、人間の体内へ入っていきました。


Weckが紹介している話は、
人間と神様およびカンダ・ウンパットとの関係が作られた当初のことのようです。
4神の「のちに・・・・と呼ばれることになった」という部分の
それぞれの名前は
前回に触れたカンダ・ウンパットのそれぞれの名前と同じです。

翻って、
シュピース&デ・ゾェトが注釈で「聞いた話だけど・・・」と書いている話は
ランダがカンダ・ウンパットを作ったことになっています。
それも「呪術を勉強している人たちに負けたくないから」という理由でしたし。

む〜〜〜
ランダが作ったのか、
それともサン・ヒャン・ウィディをはじめとする神様たちが作ったのか、
カンダ・ウンパットを作ったのは誰か謎が深まるばかりです。
私がバリの人から聞いた話では
カンダ・ウンパットがブラフマ神やイスワラ神へ変容する物語もありました。

誰が作ったのかはさておいても
「じゃあカンダ・ウンパットって何?」と聞かれても、よくわからないです。
すごくアバウトですが神様系やランダ系の場合は
エネルギーとかパワーとかそういうものじゃないかとも思います。
でも本当に、よくわかりません。
ただし人間と一生を共にするカンダ・ウンパットについては
4人の兄弟/姉妹ということで理解しています。

一口に
「カンダ・ウンパットとは○○です」と言い切れないところが
ややこしいというか、非常にバリ的だなと思います。
いろんなカンダ・ウンパットの物語を知ると
もっとイメージが摑みやすくなるのかな?
でも、もっと混乱しそうな気もします。

参考文献
・Wolfgang Weck 『Heilkunde und Volkstum auf Bali』
1986, PT Bap Bali, PT intermasa, Jakarta
(1937年に出版された本のドイツ語訳。持っているけど読めません)
・Fred B Eiseman Jr 『Bali Sekala & Niskala』vol.2 1986
| comments(0) | trackbacks(0) | by 大坪紀子
カンダ・ウンパット1
HPのバロンコーナー内の補足で触れられているカンダ・ウンパットのことですが、
カンダ・ウンパットKanda Empat(Kanda Mpat, Kanda Pat)を説明するのは
非常に難しいです。
私がバリの人から最初に聞いた説明は以下のようなものでした。

まず「カンダKanda」はカウィkawi語(=古代ジャワ語)で、
兄弟や部分という意味をあらわしているそうです。
続くウンパッEmpatはインドネシア語で4、
パッPatならばバリ語ですが同じく4を意味します。
すなわちカンダ・ウンパットは言葉の上では
4人の兄弟や4つの部分という意味になります。

バリでは、目には見えない4人の兄弟/姉妹がすべての人にいて
人間は生まれてから死ぬまで、常に4人の兄弟と一緒にいるのだそうです。
(一説によると、亡くなってからもしばらくの間は4人の兄弟と一緒らしいです)
4人の兄弟にはそれぞれ名前があり
  1.アンガパティAnggapati
  2.プラジャパティPradapatiもしくはムラジャパティMerajapati
3.バナスパティ・ラジャBanaspati Raja
  4.バナスパティBanaspati
と呼ばれています。そしてもとは
1のアンガパティが羊水に、2のプラジャパティは血に、
3のバナスパティ・ラジャは胎脂、4のバナスパティは胎脂にいました。
つまり胎児と4人の兄弟はお母さんのお腹の中で一緒にいたわけです。
なおお母さんのお腹の中にいる時は、
4人の兄弟はそれぞれ別の名前で呼ばれるのだそうですが、
どんな名前で呼ばれているのかは知りません。
また、4人の兄弟がいた場所に関する異説もあり
「いや、バナスパティが胎盤で、バナスパティ・ラジャが胎脂にいた」
と言う人もいるそうです。
しかしいずれにしても「アンガパティは羊水にいた」ということは共通しているらしく
4人の兄弟の中でアンガパティがいちばん上のお兄さん/お姉さんなのだそうです。
バリでは赤ん坊の頃からいろんな儀式をおこないますが
その中には4人の兄弟のためのものもあります。

赤ん坊が成長し、乳歯が抜ける頃になったら
4人の兄弟は体の中の特定の器官を居場所にするそうです。
しかしバリの人は
「具体的な話は伝統医じゃないとわからないよ」と言っていました。
私ものちに特定の器官と居場所を本で調べてみたりしましたが
本によって記載がバラエティに富んでおり、今だによくわかりません。
それにそういうのは伝統医の専門ですから、
「餅は餅屋に任せておけ」で専門医にお任せしておけばいいと思います。

普段でも、自分と同じように4人の兄弟/姉妹を大事にする人もいます。
目に見えない4人の兄弟/姉妹がいつもそばで守ってくれるからなのだそうです。
4人の兄弟/姉妹用のお供えもあるそうです。

かたや、人間が悪いことをすると4人の兄弟は
カンダ・ウンパットから
その人へ災いや病気をひきおこすカンダ・ウンパット・ブタKanda Empat Bhutaへ
変容することもあるそうです。
しかし、カンダ・ウンパット・ブタの全てが「悪」というわけでもなく
またすべての病気の原因が
カンダ・ウンパット・ブタやカンダ・ウンパットにあるわけでもないそうです。

というわけで、
一生を常に共にする4人の兄弟/姉妹のことを
一般的にカンダ・ウンパット
あるいはカンダ・ウンパット・ラレkanda Empat Rareとも呼ぶそうです。
カンダ・ウンパットはほかに
 カンダ・ウンパット・ブタKanda Empat Bhuta
 カンダ・ウンパット・デワKanda Empat Dewa
 カンダ・ウンパット・サリKanda Empat Sari があります。

カンダ・ウンパット・ブタについては先に少し触れましたが
カンダ・ウンパット・デワは人間が瞑想などを行うときに助けてくれ
カンダ・ウンパット・サリは人間が知的活動を行うときに助けてくれるそうです。

昔読んだある本には
「良いことをしていたら、カンダ・ウンパットはカンダ・ウンパット・デワや
 カンダ・ウンパット・サリになって守ってくれる」
という旨のことが書かれてありました。
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間寛平
HPのバロンコーナーを更新しました。

今回は補足(原著のp.273)
『-プダンダによるバロン劇の神秘的(タントラ思想的)解釈 - 』も掲載しました。
そのせいでレイアウトがちょっと見にくいのですが
いつの日か修正しますのでお許しをば(あくまでも「いつの日か」)。
また、その補足はカンダ・ウンパット/Kanda Empatの話がメインで
「カンダ・ウンパットって何じゃらほい?」と思われる方が多いと思います。
私もカンダ・ウンパットについてはあまり知識がありませんが
いずれ日を改めてここで触れることにします。

今回更新した部分はトランスに関する記述が多く、
笑える部分はありませんでした。
(・・・・そんなんあたりまえやて)。

さて、私の知人は毎回、
自分の村でバロン劇が演じられるとトランスに入り
クリスで自分をグリグリとやっています。
普段はとても物静かな彼の変貌を初めて見た時は、ショックを受けました。
そしてある日、彼へ
「あのグリグリとやっている時ってどんな感じなの?」と聞いてみました。
すると彼は
「痒くて痒くてさぁ、ムズムズするんだよ。
 それでクリスで刺すと気持ちいいんだな」と答えてくれました。
その答えに破壊力を感じたことは言うまでもありません。
「えっ!?かゆいって寛平ちゃん(間寛平)?」と思いました。
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あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
本年もみなさまにとって良い1年となりますよう
お祈り申し上げます。

そして今年もよろしくお願いいたします。
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